組合員の投稿

春闘への小さな違和感

2023年3月9日

 今年の春闘は政労使そろい踏みで報道も大賑わいとなっています。そうは言っても感覚としては1.政府、2.経営側、3.労働側といったところでしょうか。なぜか労働側の歯切れが悪いのに対して、経営団体からは「どんどん賃上げ要求してくれ」との威勢のいい発言が出てきているように感じます。

 一方、ユニクロやイオンなど「大盤振る舞い」をしているかのような報道もあれば、「中小企業は賃上げが難しい」との報道も盛んにふりまかれています。そうした中で変な感じをぬぐえないことが二つあり、そこに注目してみます。

 一つはトヨタ、ホンダをはじめとした自動車関連の「一発回答、満額回答」という動きと、もう一つは今年の春闘では労使交渉を行わないとしている「鉄鋼大手」の動きです。

 この20年とか30年の間、日本では賃上げがほとんどなかったことを組合運動からから考えると、必要な賃上げ闘争をまじめにやってこなかったということがまず言えます。

 賃金は労使のつばぜり合いのなかでどちらがどれだけ取り分を獲得するかという話であり、会社が儲かっているのであればたくさん要求すればいいのであって、「一発回答、満額回答」はありえないと思うのです。

 そもそも使用者から、交渉の初日に満額回答したうえで「自動車を含む産業全体での交渉進展を願いこの時期の回答とした」(トヨタの佐藤次期社長)などとコメントされるようでは完全になめられていると言うしかありません。

 ひるがえって経営側から見ればこの間賃上げをしてこなかったことで、労働者の購買力はどんどん小さくなっており、ここへ来てこの値上げラッシュでは労働者が立ちいかなくなり、日本経済が鈍化することに大いに焦りを感じているのではないかとも思われます。

 今一つ、鉄鋼大手の隔年交渉については鉄鋼連盟の会長は記者会見で、「(隔年での交渉が)妥当かどうか労使ともに考える時期ではないか」などと、ここに至っても間の抜けたことを言います。

 忖度は役人に任せておけばいいのであって、労働組合は組合員の生活を守り、改善していくのがその任務なのです。「今年賃上げ闘争をせずにいつするのか」と大声で言いたいところです。

 いずれにせよ、賃上げ機運は高まっているとはいえ、値上がりが尋常ではない今の日本では実質賃金の上昇を目指す賃上げ闘争が求められているのだと思います。人手不足は賃上げ闘争には追い風となりますが、労働組合はさらなる奮闘が必要です。

 


 

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