新世紀ユニオンによくある質問(その1)
<この事案でいくらとれるか?という質問>
解雇事案=個別労働紛争は、相手があるので、相手企業の体質や性質、支払い能力などが分からない以上いくら取れるかはわかりません。一回の団体交渉で400万円で和解できる場合もあれば、150万円しか取れないこともあり、裁判や労働審判で9か月分しか取れないこともあります。
一般的に解決金は、勤続の長さ、企業側の支払い能力、勝利的事案か・敗北的事案か、企業がブラックか、などで解決金の金額が違ってきます。新世紀ユニオンでは多い場合で950万円~300万円の間で、ふつう勤続の長さが解決金の金額に大きく影響します。ですから無料労働相談でいくらとれるか?と聞かれても答えられないのです。
<労働者側に瑕疵のある事案を闘えるか?>
①解雇されたから闘ってくれるか?と言う相談で、解雇理由を聞くと「買春したが相手の女性が未成年で、警察に逮捕された。自分は相手の女性が未成年だったかは知らなかった。だから闘えるはず。」だと主張します。聞くと会社は一流企業で、逮捕により新聞沙汰になり、企業の名誉を傷つけたという解雇理由なので、弁護士着手金35万円のお金を払っても勝てる内容ではありません。違法行為で「知らなかった」という意見は通じないのです。
②交通事故でひき逃げで逮捕され、免停になった。それを理由に解雇されたので闘ってくれ。という相談。聞くと社用車で営業中バイクと接触したが、自分は相手が勝手に転んだと思っていた。あとで警察が来て後ろのバンバーに接触した相手の塗料が着いていたので引き逃げになった。というものでした。警察の捜査でひき逃げしたと断定されたことを争っても、これが覆るわけがなく、裁判を闘うよりも会社が普通解雇にしているので、転職したほうがいいと思う、と説得しました。勤続も短く、裁判で争うほどの雇用でもなかったというのもありました。
③職場で同僚に腕時計を高価で売りつけた、という理由で解雇された事案。この場合相手が売ってくれとせがんだこと、仕事中に商売したという事ではなく、昼休みのことであったこと、などで裁判を闘い勝利的和解ができました。
労働者側に瑕疵がある場合でも飲酒運転で検挙され、解雇された事案では裁判での勝利判例があり、最近では闘えます。ただし買春やひき逃げの場合は懲戒解雇が正当となるので争うことはできません。つまり労働者側に瑕疵がある場合、裁判でのリスクを払うだけの価値があるかを考えて本人が判断することですが、ユニオンとしては敗訴の可能性が高い事案で争うことを勧められません。
新世紀ユニオンによくある質問(その2)
<この相談事案で「勝てますか?」という質問>
解雇事案で勝てるかどうか?は必要条件がそろっているかによります。必要条件とは以下の3点です。
(1)違法解雇の証拠があるか?
(2)相談者が断固として最後まで闘う決意があるか?
(3)相談者がユニオンの指導に従い証拠作りを実践できるか?
新世紀ユニオンが加入を認めた場合はふつう100%勝てます。ただしユニオンの指導に従わず、解雇されて、違法だと抗議しているのに「続けて働く気はない」と申し述べて失業保険の手続きをしたばかりに、働く意思がないと判断され、未払い賃金請求権が認められない場合がありました。ユニオンが労働審判の申立書を出してから、その写しを添えて失業保険の仮需給をもらうように指導しているのに、かたくなに拒否する人がいます。解雇を争うなら働く気がなくとも、働く意思を表明しておかないと未払い賃金は認められません。ところがこの人物はある宗教団体の熱心な信者で、嘘をつけない人で、「働く意思がないのに、働く意思があるという事はできない」という変にかたくなな人でした。
またパワハラでうつ病になり、休職し、主治医の就労可能の診断書が出ているのに、「加害者のいる職場には復帰したくない」と就労をかたくなに拒否し、ユニオンが復帰してパワハラの録音を録るように指導しているのに、復帰を拒否して解雇され、敗訴する例が少なくない数あります。就労を拒否すれば解雇されるのは当然なのに、相談者本人の闘う決意がなく、日和って敗訴する人が時々います。
新世紀ユニオンが「勝てます」というのは、本人がユニオンの指導に従い証拠づくりなどで断固実践できる、という事が必要条件となっています。ところがユニオンが「この事案は勝てます」と言うと、ユニオンに加入せず、自分で弁護士のところに走り裁判をやろうとして、弁護士に「敗訴する」と言われた、と怒ってくる人がいます。ユニオンが「勝てます」というのは、「ユニオンに加入して証拠作りをすれば勝てます。」という事なのです。つまり解雇事案で勝てるかどうかは、ユニオンが問題ではなく、相談者本人がユニオンに加入して指導に従い断固闘う決意があるか?という事がカナメの問題なのです。
つまり解雇事案で勝てるかどうかは、ユニオンが問題ではなく、相談者の闘う決意が強固で、指導通り実践できるのか?という事が問題であり、したがって「勝てるかどうか」の質問は、ユニオンにではなく、自分自身の決意を確認すべき問題なのです。
同じパワハラ事案でユニオンの指導を100%実践した人は950万円で勝利的和解をし、ユニオンの指導を拒否し、うつ病が治癒したのに復帰しなかった人は敗北しゼロ円でした。本人の闘う決意が「強固か」「軟弱か」の違いの差は大きいのです。
新世紀ユニオンによくある質問(その3)
<「加入したら闘ってくれますか?」という質問>
労働相談で、相談した後で「加入したら闘ってくれますか?」という質問をよく受けます。つまり闘いはユニオンがやるのであって、自分は依頼者だ、というスタンスの方が少なくありません。以前大学の先生が「私はクライアントだ!」と言い張る方がいました。こうした人は、労働組合を「何でも屋」あるいは「業務請負人」のように考えて、闘うのは組合であり、「自分は顧客だ」と考えています。
ユニオン(労働組合)は労働者の団結体であって弁護士のような代理人ではありません。憲法28条は勤労者の団結権・団体交渉権・団体行動権はこれを保障する。と定めています。これを受けて労働組合法が定められており、ストライキなどの労働組合の正当な活動には法的保護があり、刑事免責・民事免責が認められています。
つまり組合員は依頼者ではなく、ユニオンに団結して共に闘う仲間であり、指導部の指導を受けて自分も参加して共に闘うのです。ある相談者は職場に組合があるのに、「ユニオンに加入するので賃上げを闘ってくれるか?」と言ってきた人がいました。職場に組合があるのなら、その組合で賃上げを闘うべきで、一人でユニオンに加入して賃上げができるわけがありませんし、それは分裂行為になりかねません。この人も「組合が代わりに賃金を挙げてくれる」と都合よく考えていました。
日本の企業内組合は、入社と同時に自動的に組合員になり、退職するか、解雇されると自動的に組合員でなくなります。ですから労働者として組合に加入する階級的意味すらきちんと教育を受けていません。ところで個人加入ユニオンが生れたのは、企業内組合ではリストラされると自動的に組合員でなくなり、雇用を守れないことです。個人加入ユニオンが生れるにはリストラ時代のそうした背景があり、したがって私は、ユニオンの第一の役割は雇用を守ることだと考えています。
しかし解雇裁判で勝訴しても企業側が解雇労働者を受け入れず、再び裁判になる例を見る中で、解雇裁判では相手が原職復帰を受け入れない場合、金銭解決も仕方ないと考えるようになりました。日本の裁判所は違法解雇でも慰謝料は認めません。金銭解決の根拠は未払い賃金であり、勤続の長さに対する補償です。
民法624条1項によれば賃金請求権は就労することによって初めて発生します。これを「ノーワーク・ノーペイの原則」と言います。労働者の労務提供義務の履行不能が使用者の責めに帰す場合のみ、未払い賃金請求権が生れるのです。解雇された労働者が失業保険を(仮需給ではなく)受給すると解雇追認行為となり、未払い賃金請求権が無くなります。こうした複雑な法律問題があるので、新世紀ユニオンは組合員に執行部の指導に従うことを規約で義務づけています。したがって、これらは労働組合の団結体としての本質をいささかも変えるものではありません。
新世紀ユニオンによくある質問(その4)
<「問題が解決したら退会出来ますか?」という質問>
新世紀ユニオンは脱退は争議中以外は自由です。しかし組合規約は自分の問題が解決したら、次は仲間の問題を解決するため支援を続けることを義務付けています。しかし最近もある野党の党員が、裁判で和解したのに拠出金を払わず脱退しました。この人は争議中も組合費を2年間以上免除されています。
組合規約で解決金などの10%をユニオンに支払うことを大阪地裁が命じた「新世紀ユニオン事件」の判例は、某過激派セクトの組合員が拠出金を支払わずに逃亡した事案でした。政党やセクトは新世紀ユニオンを資金稼ぎに利用して、義務である拠出金(=解決金の10%)を払わず逃亡する例が多く困っています。判例があり争っても敗訴が確実であるのに拠出金を払わず逃亡する不当は、恥知らずというほかありません。
また問題が解決するなり脱退して、その後2回目の解雇にあい、再び加入を申し入れてくる人が少なくありません。しかし新世紀ユニオンは一度脱退した人の再加入は認めません。自分の事案が解決したらすぐ辞めることは、仲間への裏切りであり、したがって再加入は絶対に認めません。
ですから加入時に「問題が解決したら退会出来ますか?」という質問をする人には、新世紀ユニオンは初めから加入を断ります。なぜならユニオンは争議屋でもなければ、争議請負屋でもありませんから、自分の問題が終われば、他の仲間の支援に回るのが組合員としての最低限の義務であるからです。問題が解決しても、組合費を支払い続ける意味は、仲間への支援であるだけでなく、自分が再び違法解雇された時のための備えであり、組合員としての義務の遂行なのです。
個人加入ユニオンを一時的便利屋のように考える人は、新世紀ユニオンへの加入は初めからあきらめてください。ヨーロッパの労働者は、労組への加入は定年まで続けるのが普通です。日本のように「便利屋」のように考えることはありません。
新世紀ユニオンは最近2名の組合員が定年で脱退しました。そのうちの一人は3回のリストラをかいくぐり、ユニオンの指導で雇用を守っての定年でした。もう一人は大病したのでリストラのたびに退職勧奨の対象にリストアップされる人でした。この2名はいずれも大企業の組合員でしたが、新世紀ユニオンは最後まで雇用を守り切りました。
新世紀ユニオンの組合員は、ユニオンの力で雇用を守った経緯から、だれも脱退を考える人はいません。加入時に問題が解決しても組合費を払い続けるのが嫌な人は、加入するべきではなく、新世紀ユニオンはそのような人の加入はお断りします。新世紀ユニオンの月々の組合費はわずか収入の1%です。自分の雇用を守るために、また仲間の雇用を守るために、それすら嫌だという人は、新世紀ユニオンに加入する資格はありません。
新世紀ユニオンによくある質問(その5)
<「雇用を守れますか?」という質問>
私は50年以上労働運動を行っています。ですから無料電話相談で話を聞くことで雇用を守れるかは、その場で解ります。
例えば、違法な解雇通告をしている場合などは、私は「ユニオンに加入すれば雇用は守れます」とハッキリ答えるようにしています。高齢で親の介護をしている女性社員に「東京への配置転換を受け入れるか、それとも辞めるか?」という提起を会社がした場合。あるいは「女性社員全員を非正規にすることになった。だから辞めてほしい」という通告を会社がしている場合、いずれも違法であるので確実に雇用は守れます。実際に新世紀ユニオンは多くの雇用を守っています。
しかし、中にはユニオンで証拠作りをすれば雇用を守れるかもしれない、という相談内容もあります。これは労働事案は必ず闘いの段階性があるので、ユニオンが指導し、証拠を残せば雇用が守れる場合もあるのです。例えば東京の女性で営業マンの人から相談がありました。その女性は営業で新しい顧客を獲得する成果を上げたのですが、上司からパワハラを受け、成果を奪われ、退職強要を受けていました。
この女性がユニオンに加入したので、証拠作りに会社の最高幹部に社内メールで事情を告発することを提起しました。しかしこの女性はなぜか躊躇し、なかなかメールを送りませんでした。そこで叱りつけてメールを送ると、会社の上層部もその営業部長のパワハラを認識していたので配置転換で雇用は守れました。このように雇用を守れるかどうかは、ユニオンよりも、当事者(本人)が、ユニオンの指導を実践できるかどうかで決まることが多いのです。中には指導を実践できず、雇用を守れない人もいます。つまり雇用を守れる事案であっても、実際に雇用を守れるかどうかは本人の決意が強固であることが重要なのです。
雇用を守る場合、ユニオンが交渉の前面に出る場合もあれば、個人(本人)名でメールを送ったほうがいい場合もあります。企業の体質や、社長の性質で判断することになります。ようするに、雇用を守れるかどうかは、会社の退職強要の違法性を立証できるかどうかが重要になります。
リストラで何千人というリストラ対象全員の雇用を守るのは難しいですが、一人の雇用を守るのは、新世紀ユニオンにとって、そう難しいことではないのです。退職を迫られて困っている方は新世紀ユニオンに相談してほしいと思います。
