先日、交流会に参加できて、自分と同じように不条理な苦境にある方たちとわかちあいができました。
かつて、不当解雇にあったとき、人間不信に陥り誰とも話したくなくなり、家の中にこもっていました。買い物などで外へ出るときにも道行く人たちが自分のことをあざ笑っているように感じ、とても恐ろしくなり、駆け出して家に戻ったことなども思い出しました。「なぜ、私が解雇されたのだろう」「私はやっぱり駄目な人間なのでは?」自分を責めることばばかりが出てくるのです。
私は、系列の短期大学への異動を言い渡されたのですが、その時、副学長からは「仕事は今とまったく変わらない、文部科学省へ提出する書類のためだけ」、「あなたは今の学部では嫌われている、短期大学では歓迎している」などというわけのわからないことを言われました。
家族に相談しましたら、短期大学への異動は、キャリアとしてはよくないのでは、といわれ、とりあえず学長に理由を尋ねに行きました。すると、教授会の後に残るようにいわれ、そこから数時間にわたりほとんど軟禁状態におかれたうえ、学長、副学長から人格攻撃や「授業をとりあげるよ」「事務員にさせるぞ」といった暴言をいっぱい言われました。怖くて震えていました。でも、この時すでに録音だけはしていたのです。
それから、何度か軟禁されて、ひどい言葉をいくつも何時間にわたり投げつけられました。でも、ユニオンの委員長の指示とおり、録音だけはしっかりとっていました。その時は、この録音が私に恩恵をくれるとは思っていなかったのです。
やがて、突然解雇通知が配達されてきました。学校へ行くことができなくなり、私は上に書いたような状態に陥りました。
あのころ、ユニオン事務所だけがこころのよりどころでした。委員長は、何時間も何日も話し相手になってくださいました。
証拠の録音テープをおこす作業にようやくとりかかることができ、その作業をしながら裁判を待ちました。裁判所には最初のテープを一本提出しただけで、二つあった私の解雇理由のうち、「学長、副学長への暴言」という一つの解雇理由をとりさげてきました。
結果は、勝利的和解を勝ち取ることができました。(何十時間にもなる残りのテープを提出できなくて残念でした。)それからずっと組合員です。
ユニオンにいくと、かつて私があったような理不尽な立場においやられた方に出会います。その中には、自分を責めている方もいるかもしれません。しかし、ユニオンにいる多くの方は、仕事の才能があり、人間としても魅力的な方が多いです。
委員長に学び、自分を闘いの中で成長させていくことができます。交流会に参加して、お互いのことをさらけだし、一度は無くしてしまった「人を信じる」ということが、またできるようになることを願っているものです。