組合員の投稿

労働者として、質を向上のため~公共施設・制度を活用しよう(大阪編)~

2020年12月14日

 労働者が使用者から、正当な対価(待遇・報酬)を得るためには、労働組合に団結する事は、必須である。

 しかし、その対価を一時金の増額また翌年度の賃上げ等の形で「向上」させるため、私は団体交渉、そして要求が叶わなければストなど争議をする「だけ」で良いとは、私は思わない。

 労使交渉は、労働力の売り買いという労使関係において「安く買いたい」「高く売りたい」の対立の中で、展開される。

 労働者の団結とは労働力の結集体であるが、国家が非正規雇用化また外国人労働者の受け入れという、労働力の値下げ施策を推進しようとしている中では、やはり待遇向上のためには、個々の労働力をより質(価値)の高いものにし、交渉が難航あるいは決裂しそうになれば、団結体の労組としては持てる労働力をまとめて、より高く買ってくれる相手に向ける程の覚悟また迫力を、身に付ける必要があるのではないか。

 こういう私の信条は、とくに「家畜」と呼ばれるようになった日本の職場内労組や、そこで団結権は万能の武器であると思い込み、自らの労働力の価値を上げようともせず、一時金は支給され翌年になれば自動的に賃上げされて当然と考える層には、受け入れられないかもしれない。

 しかし労働者には、安価しかし有能な外国人労働者そして段階的に繰り延べまた減額が施行されてゆく年金制度との闘いにも、直面している。

 大阪府に住み市内で働き、しかし上記の如く格好良い信条は持ちつつ結局は目先の享楽への誘惑に弱い私が、最低限これだけはと考え実践していた、公共施設・制度の活用を紹介したい。

●大阪産業創造館(通称:サンソウカン、最寄駅:堺筋本町)

・大阪商工会議所の付属(?)施設。大阪市経済戦略局の中小・ベンチャー企業支援拠点として、経営相談をはじめ、セミナーやビジネススクール、商談会、交流会など、多種多様なサービスで経営者をサポートする機関です。

・ここで1回あたり0~500~1000円くらい、60~90~120分で、ビジネスマナー・スキル、また専門技術に関するセミナーが受講できます。職場の教育研修、また個人で民間企業が開催するセミナーを受講するより、はるかに安い費用で同等か類する内容だと、私は思い積極的に受講していました。

・特に先端技術に関する安価しかし非常に充実したセミナーは、大阪独自かもしれません。有料年間会員登録などせず、その時々に興味ある演目の料金を支払うだけで出席できるのは非常に魅力的かつ、有益です。

●中之島図書館(最寄駅:淀屋橋)

・産創館の前後に、立ち寄られる事をお勧めしたい施設です。20時まで、開館しています。

・国の重要文化財にも指定された、重厚な建物です。中之島はご存知の方は多いと思いますが、中之島図書館ほか重要文化財クラスのレトロな施設が日没から22時までライトアップされ、ロマンチックな雰囲気です。

・入館すれば学術的な雰囲気、内部でもライトアップあり、それだけで勉強した、自分が数段も賢くなった気分を満喫できてしまったりする、変な(?)意味でもイイ!場所であったりもします。

・「国会図書館」に迫る、幅広く充実した蔵書を誇る施設ゆえ、お探しあるいは興味ある分野の書物を探すのは、容易ではありません。行かれたなら一度、管内のパソコン端末で「蔵書検索」されると良いです。

欲しい本は往々にして、貸出中しかも数週間待ちだたりします。閲覧スペースも限られており、館内でじっくり読むのも、叶わない事があります。

・検索で、どのコーナーに何があるのか把握し、時間が許す限り実際に見ると、とても参考になりまた刺激を受ける事が出来ます。府内に在住の方なら、館内あるいはご自宅のパソコンから検索、そして予約されればお近くの図書館で貸出また返却が出来ます。この方法の活用も、考えて下さい。

・さらに、、、公共図書館は音楽CDやDVDなど娯楽メディアも無料で借りられる、雑誌もだいたい最新版を(貸り、持ち返りは出来ないと思いますが)閲覧できる場所でも、あります。息抜きでこれらを織り交ぜ、公共図書館を活用しましょう。

次に大阪府とは外れますが、ご提案。

●ハロートレーニング(公共職業訓練)

・ハローワークが提供する、公共職業訓練です。ハローワークの判断により、失業給付受給資格がない(全て受取り、終わった等の)人でも受講チャンスは、ゼロではありません。

・かつて、いわゆる「職業訓練学校」は金属加工や設計・測量など工業技術系のスキル取得を必要とする労働者が、1年や2年の期間に渡り受講するものかと、私は思いこんでいました。しかし調べたら、都道府県により違いはあり得ますが、パソコンや簿記など事務系スキルを3ヶ月から6ヶ月だけ受講できる機会も、用意されています。

・無料ではありますが、受講のためにはハローワークへ行き面談して、ざっくり述べると「(本人が(強く)希望するなら)受けても良い」「受けた方が良い(と思う)」「受けなさい ≒ さもないと仕事がない」3段階いずれかの認定を受け、ハロワ経由で申込み選考に臨む事になります。

・受講のメリットは技能向上に加え、ケースバイケースあるいは都道府県ないしハロワ単位の判断になると思いますが、以下のメリットを得られる可能性があります。
(1) 給付制限(失業給付の開始まで3ヶ月待つ)が、ない。待機期間7日間が終われば、すぐ給付が始まる。
(2) 受講期間は、給付が延長される。つまり3ヶ月の給付が得られる方が6ヶ月の受講すると、3+6ヶ月の間は給付が受けられ、再就職活動に余裕が出る。
(3)「通所手当」として、通学交通費また学校での昼食代の一部に相当する金銭を受け取れる。

 なお一般的に、受講している間は、月2回の求職活動をしてハローワークへ出頭し認定してもらう手続きが免除されるようです。

 個々のケースまたお住まいの都道府県で、異なるかもしれませんので、上記全てを再確認されて下さい。

 しかし、その手間を払ってでも価値ある国家制度ではないかと、私は考えます。

 


 

-組合員の投稿

Copyright© 新世紀ユニオン(大阪) , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.