日本郵政グループ労働組合(JP労組)は今年2月に「郵便・物流事業の再建・再設計に向けた要求と提言」を経営側に出しています。その内容は、このままでは毎年1000億円規模で赤字を積み重ねていく、「経営陣が危機感がなさすぎる」などとして、危機意識を持ち労働者にも危機意識を認識させるために事業再建のために労使協議会設置を提言しています。
郵政事業は元々貯金・保険・郵便の3事業が一体となって初めて成立していた事業であり、民営化で3事業を分割したゆえに、郵便が赤字になるのは当然であり、それなのに労組が「危機意識を共有して」役員や社員のスリム化、再配置を提言し、効率化によるコスト削減を提言することは、労組の側が労働密度を上げて搾取を強化すべきと提言しているようなものです。
JP労組は、最低賃金が25年度は66円上がり時給1000円を実現できたことを自らの成果のように言っています。しかし日本の最低賃金は欧州諸国の約半分であり、韓国よりも少ないのですから、とても成果と呼べるようなものではないと思います。
労組が自分から賃上げのための原資つくりに郵便料金を上げるべきと言うに当たっては、もはや労組とは言えない、経営側の手先にすぎず、しかも非正規との格差をなくすために正規社員の労働条件を悪化させるという恥ずかしいことを認める労組なのです。
JP労組の今年の春闘要求は、正社員で1万1000円の引き上げ、というおよそ自粛要求としか思われない低額要求で、昨年の要求よりも4000円も下げています。これでは物価上昇に満額回答でも追い付けない実質賃下げです。一時日本郵便と協業関係になり、それが破綻したヤマト運輸は賃上げ要求が1万5000円で満額回答が出ているのに、JP労組の春闘要求額の低さだけが目立ちます。要求額は組合員の生活実感を基礎に決めるべきであり、労組自ら自粛要求をすることは裏切りとしか言いようがありません。
情けないことに、この低額要求でさえ、経営側と大リストラに協力する約束で春闘の決着が図られるということです。JP労組はもはや労働組合とは言えないのではないか?この労組に加入を続ける意義があるのかを考えないといけないのではないのか?と思い悩む日々です。(一JP労組組合員)
