5月初旬に新世紀ユニオンに入会しました。現在は角野委員長のご指導のもと、総務部長を相手に2度目の処遇改善要求のメールを送ったところです。ユニオンに入会し、委員長のご指導がなければ、たぶんここにさえ至っていなかったと思います。
現在在籍する会社で2017年秋から約3年にわたり、主に社長によるパワーハラスメントを受けています。秘書をしていた私が社長に意見、反発したことが原因です。
社長はいわゆるサイコパス気質で、自己愛が強く、自分を称賛しない者は容赦なく使い捨て、まるでトランプ大統領の側近解任劇を見ていると我が事のようです。私はまさにトラならぬ「トランプの尾」を踏んでしまったのです。
社内弁護士同席のもと秘書職を解かれた私は、社外で渉外活動を行うことになりました。部署も組織から外され、役員直下の一人部署になり、年間予算計画書には私一人分の給与や賞与額などの個人情報が課の予算として全社へ配信されたり、なにしろ一人なので新しく導入したグループチャットやテレビ会議のアカウントが与えらえない、あげくは座席まで取り上げられ、他部署の出入口に一番近い空席を与えられる始末。
また社長からの指示を受けた取締役を含む複数の役員から、不安にさせたり、気持ちを滅入せたりするような言葉を投げられ精神的に耐えきれなくなり自ら辞表を書くような状況に追い込まれています。
それまでは課長職にありましたので、嫌な目にあったとていくらかの裁量権がありましたから早退や出張に出たり、在宅勤務にしたりと自分で回避することもできたのですが、この4月、突然何の知らせもなく給与明細において管理職を解かれ、給与も3割減となっていました。
以前、他社の方にそのような相談をしたところ「給与に手をつけられていない限り気にすることはない、静かにやり過ごすこと」と言われたこともあり、黙って嵐が過ぎるのを待っていればそのうち収まるだろうかとたかをくくっていましたが、いきなりの降格・減給には、もう黙っているわけにはいかないと行動を起こしました。
インターネットに多くの情報があることが本当に有難かったのですが、それでもいざ自分事になってみると何をすればよいのか、何が一番近道なのか、本当にわからなくなります。まず無料で相談できる地元の労働局の電話相談にかけてみました。
アポイントを取り訪ねてみましたが、百聞は一見にしかず、目の前で労働局の職員の方が企業に訓告の電話をかけている場面に遭遇しました。まさに人によるというか、こんな感じで話をされたらウチの会社の窓口ならまず居留守を使うか、適当に対応するか…というのが目に浮かんでくるくらいマイルドな話しぶりでした。
相談員の男性もあまり親身にはなってくれず、パンフレットを渡され、私たち(労働局)には強制力はないんですよ、と言われました。
企業は労基に目を付けられたら大変、というようなことをよく聞いていたので、会社が反省するようなお咎めをしてくれるかと期待していただけに、かなりガッカリしました。労基を怖いと思うのは、労働時間のサブロク協定違反においてのみのようです。
ただ、労働局の職員の方の中にも博識で、できることに限界があることは変わりませんが、それなりに親身になって相談に乗って下さり法的な資料やアドバイスを下さる方もいらっしゃるので何度か電話して、よい担当の方には次回の予約を取って同じ方に相談ができるようにしてもらうと行政への相談という記録が残ります。
しかし、私が望む解決法にはまったく至らなかったため、次は無料の法律相談(法テラス)の労働相談を利用しました。
ここも同様で、電話の窓口の方がかなりしっかりした対応をして下さったので期待してアポイントの時間に弁護士会館へ向かいましたが、そこも当たりはずれがあり、窓口の方が紹介して下さった女性弁護士は「これは難しいですね、会社に雇用されている限り覆せない」というようなことを言われました。
たぶん、その場で話が盛り上がりその方に弁護をお願いします、というような展開に持って行きたくなかったのだと思います。
弁護士だってお客を選びたいはずです。労働者の味方になるより、企業弁護士として顧問契約が取れる方を選びたいでしょう。大阪での無料相談は本当に時間の無駄でした。
そんな中、またある方に相談したところ「社長、役員で誰も味方してもらえないなら組合を味方につけるしかない。個人では入れる労働組合、あるでしょう」と言われました。私は経営サポートの管理部門なので、労働組合とは縁がありません。
正直なところ組合という存在がよくわかっていませんでした。イメージとしては全共闘や日教組などのデモ行進、企業の周りを宣伝カーで周回する、入会したらデモ行進に参加しなければならないのでは…という不安がありました。それでもどのような力になってもらえるのかと「ひとりでも入れる労働組合」で検索したところ「委員長のブログ」がヒットしました。
読み進めるにつれ、まさに求めていた苦しみへの理解、解決法などが書かれていて一晩中読み漁りました。
所在地も確認し「ここなら行ってみよう」という気持ちになれたので、翌日の昼休みに電話をかけたのが始まりです。
話もそこそこに、コロナ自粛の最中でしたが、委員長が早速面談して下さいました。法的に「勝てる」ポイントを見つけ、そこを突いていく戦術で、また会社を辞めるつもりは今のところ考えていないため解雇にならないようなメールの書き方をご指導下さいました。
一度目の会社からの回答は、会社に都合よく作り上げ、組合との協約もない昇級システムを掲げて、試験に不合格なので減給したと会社に落ち度はないことを断言してきました。
「運用規定も労働組合との協約もない昇級システムを当てはめ、人事部が一方的に給与を増減することは違法である」と、委員長のアドバイスのもと2回目のメールを送っているところです。
会社から強く言われると、「自分が間違っているのかも」と自責の念にかられ、自信もなくなり、不安になります。ましてや、会社が「違法を犯す」なんて考えることさえなかったので(会社は公明正大、会社のルールに従うのが従業員の努めと信じてきたので)
今までは権利の侵害に対しても受け入れ耐えてきましたが、もう今の私には通用しなくなってしまいました。ただ、現在も不利な条件下で、しかも今まで管理職として同じ立場にあった人たちから「ちゃんと出勤してるか」「ちゃんと仕事してるか」と、監視されながら過ごしています。
私への非情な処遇を社内への見せしめにすることで、会社側の戦術通り、社内で孤立してしまいました。多くの社員が、私に近づくことにより、自分にトラブルが飛び火することを避けているのがよくわかります。
負けが決定的な事案、戦うことが無駄戦になってしまう事案などもあるかもしれません。自分自身が今まで信じてきた道徳心や倫理観が邪魔をし、戦わずして自ら負けてしまうこともあります。
何度も経験を重ねた専門家によるアドバイスを受け「受けるダメージを極力抑えて、いかに自身の要求を勝ち取るか」を一緒に考えてもらえる組合に、偶然とは言え、出会えたことは本当にありがたいことです。
何度か無気力で、うつの症状が出てきていますが、角野委員長から頂くメールでふと正気に戻ることもあります。「孫子の兵法」の考え方は今までの私の考えになかったことで、これを応用して頂けることも大変ありがたいです。
また、新世紀ユニオンニュースに投稿されている組合員の皆さまのお話にもたくさんのヒントがあり、深く考えさせられています。特に現在、係争中の方のレポートは大変勉強になります。
今後の展開はいまだわかりませんが、自分の正当性を主張できるところを見つけて戦っていくしかありません。がんばります。