みなさん、こんにちは。私は某地方国立大学の現役教員です。
ここ20年ほど、国立大学では、大学教授M(=Moraharaの略)が部下のA(助教や准教授、あるいは院生)を退職、退学に追い込む卑劣なモラハラが横行し、激化しています。その手口は、必ずといってよいほど、配下のゼミ学生や医局部員を利用するやり方です。
ターゲットとしてロックオンしたAに対し、複数のゼミ生達が“でっち上げ”のセクハラ、アカハラ容疑を偽装し、学内の人権相談窓口や、部局長に集団で訴えて、A(=被害者)を追い落とそうとするのです。
なかには、学生の親まで騙されて、一緒になって抗議等を行うケースもあります。そして首謀者のM教授は、何も知らない振りをしてゼミ生や保護者側に付き、Aを「客観的」に批判するのです。万一の虚偽発覚に備えて、M教授は自身の手は汚しません。
読者のみなさんの多くは、攻撃の原因を作ったAも何か悪いのだろう、とか、“でっち上げ”なら証拠がないはずだ、デタラメの嘘なのだから、さすがにAが処分や追放されることはないんじゃないの!と思うでしょう。
ところが、こうした組織的なモラハラの餌食にされると、大学ではまず助かりません。何故なら、大学内の人権相談窓口は、公平な調査など決して行わないからです。
いわんや、周囲の教員は、学生問題となると、みな口を閉ざして知らない振りをし、影で噂話に花を咲かせます。のみならず、同僚がおとしめられていくのを観察して喜び、全てを理解した上で、M(=加害者)教授の手助けを行う第二のMが、たくさんいます。
こうして、周囲の人間関係からも隔絶され、孤立化したAのうち何割かは、精神的に追い詰められ、自ら大学を去るという構図です。
このように、大学の職場環境は特殊であり、今でもグループでゼミ運営を行っている分野に属する方は、常に注意が必要です。例えば、医学部ですね。
本来、有能な若い人材Aが、M教授等の策略(=モラハラ)に嵌められ、研究者生命を奪われるような事態を、大学執行部が黙認する、あるいは、逆にAを処分するなど言語道断であり、決してあってはなりません。いま、日本の大学でモラハラ事件が頻発しているのは、そうした冤罪を大学側が見過ごし、きちんと対処していないからといえるでしょう。
では、なぜ、一部の大学では、こうしたモラハラ事件を撲滅できないのでしょう。答えは簡単です。少子化の流れのなか、いま、地方の大学では生き残りをかけて、表面上清いイメージを保つことを第一に考えているからです。悪評の流布による、定員割れが一番怖いのです。
いわんや、教育者たるM教授が配下の学生達を騙し、マインドコントロールして、気に入らない部下Aを集団で排除しようとしているなどと、世間に知れたら大学のイメージはガタ落ちなのです。結果、相談窓口や人権担当職員はおろか、学長、部局長、みなことごとく、事態を揉み消そうと躍起になります。当然、訴えた学生を虚偽申立で処分することもありません。大学は、立場の弱いAを批難して、騒ぎを収めようとするのです。
ですから、いま、読者のみなさんのなかでAのような立場に苦しむ若手研究者がいらっしゃるならば、決して、学内の人権相談窓口や担当教授、カウンセラーのところに相談に行ってはいけません。逆に情報だけが収集され、場合によっては、以後、組織的に冷遇されるのがオチだからです。
わたしも過去、大学内の人権相談窓口やカウンセラー、部局長、大学専属の弁護士など、考え得る全ての関係者を訪ねましたが、結果は上記の通りでした。全て揉み消され、情報はM教授にも伝わりました。さらには嘘の噂を流布されて、組織的に冷遇されるようになりました。
無実であるにも関わらず、周囲は事件を面白がり、騒ぎを起こしたAが悪いと決めつけて軽蔑するのです。こうした、歪んだ大学運営の仕組みを知った代償として、心も体もボロボロになりました。もう8年になります。
ただ幸い、ネット上で当該ユニオンの存在を知り、入会したことで、数々の秘術を教わり、自ら実践することで救われてきました。何とか、今も同じ大学で抵抗しながら、生きています。ただし、Mが退職して、周囲の取り巻きが一掃されない限り、昇進は絶望的ですが…。
新世紀ユニオンは、真に追い詰められた若手の大学研究者の立場を理解し、モラハラに立ち向かってくれる、日本ではほぼ唯一の労働組合だと思います。読者のみなさんの周囲で、いま、同じような境遇にある方がいらっしゃれば、ぜひ、大阪の執行委員長のもとを訪ねてみて下さい。きっと、絶望の暗闇に、一筋の光明があなたを照らしてくれることでしょう。