7月5日、名古屋市昭和区の小学校で、5年生の男子児童が休み時間に転んで顔面骨折したにもかかわらず、学校が救急車を呼びませんでした。その児童の母親を呼んで母親が救急車を呼んだのです。
ケガの症状は、ものが二重に見えたり吐き気があったりしたそうです。常識的にいえば、転んだ結果吐き気するのなら頭を打ったと判断し、ものが二重に見えるのなら急いで医師の診察を受ける必要があるでしょう。この場合、首より上を打ったのだから、救急車は必要です。
まして、子供の場合、頭デッカちで相対的に重心が高いので、頭や顔を打つのは当たり前です。一度頭や顔を打てば、直ちに命にかかわったり重い後遺症が残ったりします。それだけ学校は子供たちの命を預かっているのです。
その児童は、命に別状はなかったものの、ものが二重に見えるという後遺症が残ったそうです。現在も目に約3センチのプレートを2枚重ねて入れています。もし、治ったとしても障害は残るので、学校が生徒の健康な身体を奪ったことになります。
学校が一刻も早く救急車を呼んでいたら、後遺症はなかったかもしれません。それではなぜ救急車を呼ばなかったのでしょうか。それは、校長先生の許可がなければ救急車が呼べないシステムになっているからです。また、救急車を呼べば大事となり、教育委員会など各種機関への報告が必要だったりと面倒くさいのです。
そのため養護教諭も校長も関わりたくなかったのです。報道では取り上げられていないのですが、事故が起こった場合警察の現場検証が必要でしょう。生徒が傷害を負っているのですから、学校内といえども事故は必ず警察への通報が必要ですし、救急車も呼ぶべきだと私は思います。公教育を行う学校はお役所体質が抜けていないかもしれません。